次の日に、学校帰りに王子と待ち合わせてデートをした。
「なぁ、陽菜って俺の携帯電話とか見たいって思うことある?」
車に乗って数分で、そんな質問をしてきた王子にますます不安を覚えた。
「どうしてそんなこと聞くの?どうして?見られてやましいことがあるの?」
柄にもなく怒り出してしまった。
不思議そうな表情をしたままの王子が、私の頭を突っついた。
「ばっかかぁ、おめ~は。女心について質問しただけじゃ・・・何いらついとんじゃ」
「だって・・・」
確かにイライラしていた。
わからなくて、不安で・・・怖くて・・・
本当は、泣き出してしまいそうだった。
「キスせんから、寂しいんか、陽菜・・・」
王子は、私の頬に優しくキスをした。
聞きたいのに聞けない。
王子、他に誰かいるの?
私にするように、誰かにキスをするの?
誰かとそれ以上のこともするの?
お願い、王子・・・
私だけを見て。
隠し事を・・・しないで。