真剣な表情の優雅は、これまた素敵で、見とれてしまうくらいだった。



亜沙子も、少し顔を赤らめて優雅の横顔を見ていた。




「一瞬だけ、悟は俺の弟だったんだ。」






…??



一瞬だけ?



弟?





私の思考能力では、理解不可能。




「な~んだ、そういうことか。」



亜沙子は、頷いた。



さすが、成績優秀な亜沙子。


理解力がある。





「ちょっと待って!!優雅ってイタリア人とのハーフでしょ?じゃあ、山田もハーフ?」



私は、混乱して、興奮気味に優雅の左腕を掴んだ。




「え?俺、日本人だよ。確かにこの顔と姿、雰囲気どれもが日本人離れしていると言われるけど。」



私は口よりも先に手が出た。



優雅の頭を軽く叩いた私に、優雅は嬉しそうに笑った。




「陽菜ちゃんに叩かれた~!ラッキー!」


どうやら優雅は、Mらしい。




「俺、こんなにかっこいいけど日本人だよ。確かに幼い頃イタリアで育ったことはあったけど、両親共に日本人。」


な~んだ。


その事実を知ったら、プリンス優雅の人気もガタ落ちだろう。


女の子ってハーフに弱い。


かわいい子供を産みたいって言う気持ちが無意識の中にあるのかも知れない。