俺は家に帰り、今年の春の新人歓迎会の写真を探した。
俺の隣で俺に肩を寄せる女が写っていたが、その子は結婚するって言って、すぐに退職したはず。
夏まで働いていた女・・・
夏に転勤でどこかへ行った子もいたような気がするけど・・・思い出せない。
だってよ・・・今年の俺は忙しかったから。
そう!!
陽菜に恋をしたから。
特に夏なんて、一番忙しかったはず。
陽菜に惹かれていく自分と、陽菜を好きになってはいけないと言う自分との戦い。
部署替えした同僚や、辞めた後輩のことなんて、気にしている余裕がなかった。
俺は、新人歓迎会の写真と、同僚との花見の写真をじっくりと眺めた。
まぁ、いくら見ても名前が書いているわけじゃないから思い出せるわけもなく。
「ま、いっか・・・寝るか」
俺は、深く考えずに眠ろうとした。
いつもは、ベッドに横になって3分で眠りにつく俺が、変な胸騒ぎを感じて、なかなか寝付けなかった。
「うー、くっそ・・・」
俺は、もう一度写真を見ようと電気をつけた。
・・・シロタマユミ、絶対にもうかけてくんなよ。
厄介なことになるのはごめんだから、
誰だか知らないけど、もう関わらないでくれ。