それにしても、清水先輩だなんて、おかしな呼び方をする女。
ってか、どうして俺の携帯番号知ってるんだろう。
ってか、お前、誰?
「ダレ?」
俺の冷たい言い方に怯えたのか、ますます元気のない声で。
『すいません・・・あの・・・覚えてませんか?夏まで一緒に働いていた白田真弓です・・・』
シロタマユミ?
誰だ、それ。
「わかんね~けど。誰?」
『ごめんなさい。じゃあいいです!!』
―プープープ―
いきなりかけてきて、いきなり切るなんていい度胸してんじゃね~か。
シロタマユミって女。
俺は、『夏まで一緒に働いていた』っていうヒントを元に、思い当たる女性を思い浮かべてみた。
俺は、役所で働いているのに、なかなか人の顔と名前が一致しない。
だから・・・
実は今でも山田さんの下の名前を覚えていなかったりする。
「シロタ・・・って、いたっけなぁ・・・」