「やきもち?陽菜、俺を独占したいの?」



腕を組んでいた手を解いた王子が、その手を伸ばす。



「俺が、他の女と仲良くしてると・・・陽菜は嫌?」



その手で優しく私の頭を撫でた。



金縛り状態の私は、何とか首を縦に動かして、意思を伝えた。




もう声も出ない。



王子の手は、私の背中に回された。




「かわいい・・・陽菜。俺は、どこにもいかん。陽菜のもんじゃ・・・」





そして、また大人のキスをした。



まだ大人の恋に不慣れな私を、王子は優しく優しく導いてくれる。





王子の優しいキスに酔った私は、自然に口から出た言葉に驚いた。




「晴斗さんのものになりたい・・・」




王子は、驚く様子もなく、またキスを続けた。