私が山田の恋の行方を心配していたことを知った王子は、山田のお姉ちゃんである喫煙女から情報を集めてくれた。
今ではだんだんと友達関係になりつつある王子と喫煙女。
もっと嫉妬してしまうと思っていたのに、案外私は平気だった。
「陽菜、怒るかも知れんが、山田さんと昼飯一緒に食った。その時、弟の好み、聞いてきたぞ!」
夕食後に、車で会いに来てくれた王子は、車の中でそう言った。
「へーーー!!ありがとう!」
あっさりと返事した私に王子は、不満そうな顔をして、顔を近付けた。
「おい・・・俺が山田さんと2人で飯食ったのに、お前は平気なのか?」
王子は、親指と中指で私のあごを掴み、睨むように私を見た。
「へ・・・いやぁ。そりゃ、嫌だけど・・・でも、正直に話してくれたから大丈夫!」
「ふ~ん。やきもち焼いて、泣くかと思った」
王子は、そう言いながら、少しずつ顔を近付けた。
キス?
「俺のこと好き?」
「もちろん。本当は・・・山田の姉ちゃんと仲良くして欲しくないよ」
王子は、ニヤっと笑って、私の顔を引き寄せた。
そっとキスをした王子は、鼻先をくっつけたまま、ば~かと言った。
そして・・・
私はまた新しい王子の顔を知る。
強引に私を抱き寄せた後、王子は大人のキスをした。
「ガキには・・・まだ早かったか?ふふふ・・・」