「陽菜ちゃん、俺・・・陽菜ちゃんの為じゃないよ。本当に舞ちゃんを好きになれそうなんだ」
優雅は、消しゴムでクエスチョンマークを消した。
「そりゃ・・・陽菜ちゃんのことはまだ好きだけどね。でも、舞ちゃんを見てると俺に似てるなって思うんだ。俺のことばっかり考えてくれてて、俺の笑顔で元気になれるって言ってくれる。俺も・・・陽菜ちゃんの笑顔で元気になれるから・・・」
優雅は、私と王子を繋ぐ矢印を赤ペンで太く塗った。
「でも、陽菜ちゃんの運命の相手は俺じゃない。だから・・・応援したいんだ。俺は、ずっと陽菜ちゃんの応援団長として陽菜ちゃんのそばにいたい」
どこまでいいやつなんだろう。
いつの間にか隣にいた山田までもがしんみりした表情をしていた。
私は、優雅のキラキラ光る瞳と髪を見つめた。
「やばいよ、優雅。あんた最高・・・」
「優雅・・・私、惚れちゃいそうだった!今・・・」
そう言った亜沙子の頭をコツンと叩いたのは、次の古典の授業の為に教室に来た小早川。
「津田・・・今、何と言いました?僕以外の男に惚れそうなんて・・・後で教官室に来なさい」
うっひゃぁ!!