「大沢君、それは絶対にないから!!」
私が優雅の肩に手を乗せて、同情を込めて言った。
「…じゃあ、まさか、陽菜ちゃん?嘘だろ!悟とはライバルになりたくないから、やめてくれよ!」
優雅は嘘が本当かわからないけど、毎日のように
私にこんなアピールをしてくる。
普通の女の子なら絶対に、その思わせぶり発言にイチコロだよって、亜沙子は笑ってたっけ。
「はいはい。もうそんなことどうでも良いから。で、山田と大沢君って何?」
呆れたように私が言うと、道端でえさを探してる猫のような目で優雅は私を見た。
「ひどいよ、陽菜ちゃん。俺の気持ち知ってるのに…」
そのやり取りを見て、亜沙子はケラケラと笑い出して、秘密ノートを取り出した。
復活だね、秘密ノート。
やっぱり私はこうでなきゃ。
好奇心のかたまりのような性格。
何でも知りたい陽菜じゃなきゃね。
灰皿王子に恋をしたからって、自分を見失ってちゃだめだ。