「大沢君って、サッカーバカ山田とどういう関係?」




私が優雅にそう質問すると、前の席に座っていた亜沙子が驚いたように振り向いた。



最近の私は、亜沙子が本気で心配するくらいおかしかった。


だから亜沙子も、絶対に秘密ノートも書かなかったし、優雅と山田の関係についても暗黙の了解のように話題にも出さなかった。




「あはは!サッカーバカ山田って!悟も落ちたもんだな。昔はキャーキャー言われるアイドル的存在だったのに。」



優雅はお腹を抱えて笑った。


夕日を浴びた優雅の髪はキラキラと輝いていて、綺麗だった。



「やっぱり過去に何かあるの?」


私が突っ込んで質問をすると、亜沙子が安心したように私の顔を見た。



「陽菜…やっといつもの陽菜に戻ったね。」



亜沙子が私の前髪にサラリと触れた。


亜沙子の優しさを感じて、私の心の中では

亜沙子は絶対に親友だ、って思ったんだ。



確認の一言がなくても、私の中で亜沙子以上の友達はいない。




「俺と悟?はは~!さては、亜沙子ちゃんって悟のこと好きなんでしょ?」


優雅…


あんたは顔は良いけど、勘が良いとは言えないよ。



全く、大ハズレ。