「キス?ほっぺにキスして欲しいの?」
Sな王子のこんな姿は、きっと最初で最後。
私は王子の頬にそっとキスをした。
「ありがと・・・陽菜。」
王子はそれから、私の腕にしがみついたまま、下まで動かなかった。
私は王子の背中を何度も何度も撫でて、愛しさを感じていた。
・・・こんな王子も好き。
もう、やばいくらい恋しちゃってるよぉ!!
「お疲れ様でした~!」
観覧車から降りた王子は、大きく深呼吸をして、自動販売機で買った水を一気飲みした。
「おら、帰るぞ!!」
へ?
いつもの王子に戻ってる。
「ね~、晴斗さんもう戻ってる。さっきまでのかわいい晴斗さんどこ行ったの?」
「うるせー!ば~か!!」
ちょっぴり湿った手で私の手を握ってくれた。