「陽菜ちゃん、新井先生が陽菜ちゃんを呼んでる!清水さんが、陽菜ちゃんを頼むって新井先生に言ったらしいんだけど・・・」
優雅は、ちょっと首をかしげながら、音楽室へ私を連れて行く。
新井先生に呼び出され、半分怖くて半分嬉しかった。
王子が愛した人と話がしてみたかった。
でも、王子が新井先生と私をわざわざ会わせるようなことをするとは思えなかった。
もしかして・・・
『私の彼氏に手を出さないで!泥棒猫!!』みたいなことを言われちゃったりするのかな?
私の予感は的中して、新井先生はちょっと怖かった。
でも、いい人だった。
話しているうちに新井先生の気持ちがすごくよくわかって、私は新井先生を嫌いにはなれなかった。
突然音楽室に乱入してきた王子。
王子に怒鳴られた新井先生がかわいそうになり、私は新井先生をかばってしまった。
その後、王子と優雅は音楽室を出て、中庭にいた。
新井先生と話し終えた私は、中庭に走った。
「王子~!こんなところにいたら、校長先生に通報されるよ!」