私は、怒りと悲しみを胸に・・・


国語準備室へ向かった。





―コンコン




「小早川先生いらっしゃいますか?」




中からは笑い声が聞こえていた。



「あ、はい。」



顔を出した小早川先生の奥には、女子生徒がいた。



「新井先生・・・どうか・・・しましたか?」




少し気まずい表情をした後小早川先生は言った。



「いえ、良いんです。別に用事があったわけではないので・・・」




上目遣いで小早川先生を見つめた。





きっと追いかけてくる。


生徒を残して、小早川先生は私の元へ来る。




そう確信して、扉を閉めた。






でも、追っては来なかった。


ひとりきりの音楽室で我慢することなく大声を上げて、泣いた。