光源氏になりきっっていた小早川は、いつもよりも男らしくセクシーに見えた。




今まで、亜沙子の親友でありながら、小早川の魅力には全く気付いていなかった。





「小早川君、よく出来ました!」




私がふざけてそう言うと、クラスのみんなが笑った。



亜沙子が振り返って、小早川を見て笑っていた。




「小早川君は、感情を込めて読めていましたね。誰か好きな人でもいるんですか!」




ナイス、優雅!



優雅がそんなことを言うもんだから、小早川ったら、顔を真っ赤にして、照れていた。




絶対、亜沙子だ。



亜沙子に恋をした小早川は今、まさに、光源氏の心境だろう。






―好きになってはいけない相手―



そう、生徒に恋をしてしまったのだから。