「ちょっと!!待ってよ、亜沙子!!!」 中庭を走り出した亜沙子を追いかけた。 「待てって!!」 走り出した亜沙子と私を追いかける優雅と山田の声が響く。 「亜沙子~~~!!何があったのーー?」 「もしかして、津田も両思いかーーーー!」 「亜沙子ちゃ~ん!逃げるなんて怪しいぞーー!」 中庭に響く声は、校舎の壁に当たり、はね返って来る。 チャイムが聞こえないくらいに、私達は大声で叫んでいた。