玄関の前で、今日の出来事を思い出し、嬉しくて、また泣きそうになった。
お母さんが鍵を開けてくれるまでの時間、私は夜空を眺めた。
キラキラ光る星と、黄色い月。
王子を好きになってから、何度こうして月を見ただろう。
私にとっての初めての恋は、最高のクライマックスを迎えることができた。
遠かった王子。
体も心も遠かった王子が、今はすごく近くにいる。
教室の窓から、タバコを吸う王子を見つけた時から・・・
私は王子のことしか見えていなかったんだよね、きっと。
近づけたと思ったら喫煙女と仲良くしたり、
あきらめようと思ったら、電話をくれたり・・・
王子は、恋の切なさと、楽しさを同時に教えてくれた人だった。
私、王子の彼女になれたんだ!!