「覚悟決めろや・・・」 王子は大きな木を見上げて、ふ~っと息を吐いた。 「俺に溺れる覚悟あるか?」 王子の目が熱かった。 とても真剣な目。 吸い込まれそうな、心ごと奪われてしまうような、王子の瞳。 「もう、溺れてます・・・」 風に揺れる木の葉が、心地良い音を立てる。 目を開けているのに、目の前は真っ暗になった。 「おめでと・・・陽菜。」 王子が私を抱きしめた。