私は王子の胸に顔をくっつけた。
赤くなる顔を隠す為・・・
「陽菜・・・俺は、間違ってるかな。俺は自分勝手かな・・・」
さっきまで怒っていたのに、急に寂しげな子犬のような表情で私を見つめた。
7月は夕方が長い。
夕日が沈みそうでなかなか沈まない。
「会いに来てくれて嬉しかったです。すごく会いたかったです。」
質問の答えになっていない。
王子は、私の答えを聞いて、少し困ったように眉を下げた。
私は、王子が間違っているなんて思わない。
王子は二股をかけているわけでもないし、私の気持ちを持て遊んでいるわけでもない。
真剣に、私と向き合ってくれているんだって感じるよ。