「2人ともごめんね。また明日!!」
私が優雅と山田に手を振っていると、王子は見せ付けるように私の肩に手を回した。
優雅と山田が見えなくなると、王子は私の肩から手を離した。
「さてと、お姫様。何なりと・・・」
王子は、にっこりと微笑んで左手を私の胸元に差し出した。
「晴斗さん・・・」
「誕生日だろうが!今日だけは、お前のわがまま聞いてやる。」
王子は、私の右手を強引に引っ張った。
そして、王子の手の上に乗せて、指を絡めた。
やばい・・・
ドキドキする。
「何がしたい?どこに行きたい?俺に何をして欲しい?」
指が絡み合っているせいで、私は何も答えることができなかった。
本当はこう答えたかった。
『どうにでもしてください、王子様・・・』