「陽菜ちゃん!誕生日なんだって?」
「佐藤!何かおごってやるからデートしよ!」
どこから漏れたのか・・・
放課後、優雅と山田が、帰ろうとしている私を取り囲んだ。
亜沙子が、ニヤニヤと笑いながら後ろの黒板を指差した。
『HAPPY BIRTHDAY!陽菜!』
クラスの友達が書いたであろうその文字。
「陽菜ちゃん、みんなに愛されてるね~!」
優雅は、そう言いながら、山田の肩をドンと押した。
殴り合いの喧嘩をした2人だけど、すぐに元通りになった。
さらに激しくなる2人の、私の奪い合い。
最近は、2人とも両思いになることや、付き合うことを期待はしていないようだ。
ただ、私のそばにいる。
そして・・・私を元気付けてくれようとしているようにも感じる。
友達以上に思えないけど、2人とも大好きだよ・・・
「じゃ、3人でケーキ食べる!?」
私から2人を誘うなんて初めてだった。
日頃の感謝の気持ちと、お詫びの気持ちを込めて・・・