「陽菜~!お誕生日おめでとーーー!」



猛ダッシュで私に向かって走ってくる亜沙子。


亜沙子の両手の間には、私が前から欲しいと言っていたうさぎのぬいぐるみ。




「陽菜、これ王子だと思って、毎晩抱いてね!」


「ありがと!!嬉しすぎる!!亜沙子大好き!」




抱くとすっぽりと私の体に包まれるうさぎちゃんを、『はるちゃん』と命名した。


はるちゃんを抱きながら、廊下で亜沙子と話していた。


「チャイムなったぞ!」


廊下の窓から運動場を見ていた私達の頭を誰かが叩く。


隣にいる亜沙子の表情を見て、誰だかわかった。



「津田・・・これ、読んでみないか。」



見上げた先にいたのは、小早川。