「会いたかったです。」
「俺も・・・ 会いたかった。こんなこと言える立場じゃねーけど。」
私と王子は、何年かぶりに晴れた七夕の夜を、一緒に過ごした。
「なぁ、陽菜の誕生日っていつじゃ?」
「え、7月11日です。」
そういえばもうすぐ誕生日だった。
そんなことも忘れていた。
「あほかぁ!おめ~は。好きとかは言うくせに、肝心なそういうことをなんで言わんのじゃ。」
王子は、私の前髪を持ち上げて、そこを指でツンと刺激した。
「晴斗さんはいつですか?」
「内緒。言ったら、お前毎年俺に会いに来るだろ!」
「そんなことしません。もう晴斗さんのことあきらめるもん!!」
強がって心にもないことを言ったせいで、私はまた涙が溢れた。