自分でも予想外の行動だった。
でも、会いたくて、仕方がなかった。
もう一生会えないのかと思うと、胸の奥が苦しくて息ができなくなりそうだった。
「陽菜、ちょっと会わんうちに積極的になったな。乳、当たってんぞ。」
王子の言葉に、私は王子から離れて、胸を押さえた。
そうか・・・
ノーブラだった。
「嘘じゃ、ボケー!お前は相変わらず、おもろいヤツじゃ。」
王子は、赤面する私の顔を見ながらニヤニヤしていた。
「思わせぶりなことしてごめん。今日だけは・・・陽菜に会いたかった。だって、七夕に会おうって約束してたし。」
私は心に決めた。
結ばれることがなくても、一生片思いでも、ずっと王子を想い続けようと。