王子は突然電話を切った。 待っとけ、の意味がわからなくて、私は戸惑っていた。 どういう意味なんだろう。 今から会いに来てくれるの? 私は、まだ半分濡れたままの髪を夜風で乾かして、王子に見られてもいいように前髪を整えた。 「もしもし・・・」 『後ろ見ろや』 私は、振り向いた。 「王子ぃぃぃぃぃ!!!!!!」 私の停めた自転車の横に立っていた王子に抱きついた。