「そうだったんだ・・・じゃあ、辛いね。」
「本気で・・・本気で俺、好きになったんだ!!!」
ガタン・・・
津田の勢いに負けないように、大きな声で言った。
教室の前の扉を開けようとする人影・・・
「うわ!!」
そこにいたのは、小早川だった。
小早川は、俺の告白を、津田に対する告白と思っただろう。
「すまん・・・」
それだけ言って、その場を立ち去った。
「津田・・・誤解されたぞ。追いかけていけば?」
「何で??知ってたの?」
津田は顔を真っ赤にして照れた。
ちょっとかわいいと思ってしまった。
「好きなんだろ。絶対誤解したぞ。いいのか?」
津田は、うんと頷いた。
ここもいろいろありそうだ。
ただの片思いではなさそうな空気を感じた。
「みんないろいろあるんだな。津田も、頑張れよ!応援してっから!」
俺はちょっとかっこつけて、津田に手を振った。
説教されていたのに、いつの間にか、俺が津田を励ましていた。