授業が終わると、俺の席に津田亜沙子が来た。



「ねえ、山田君。放課後ちょっといいかな?」



お?

津田、俺に気移りしたか?

もしかして告白?



ちょっとテンションが上がっていた俺は、どん底へ落とされる。




待っていたのは、津田からの説教だった。



「山田君がそんな人だと思わなかった。私、ちょっとだけ見直してたのに!!最低!」


顔を引っぱたかれるかと思うくらいの勢いで怒鳴られた。


津田ってこうしてじっくり見ると綺麗な顔してんなぁ。

って今はそれどころじゃない。


「ごめん。俺が悪かった。軽い気持ちでつい・・・」


「何よ、それ!!人の気持ちをもてあそぶなんて人間として最低だよ!陽菜に謝ったの?」


俺は、あまりの勢いに圧倒されながら、下を向いた。


「いや・・・なんか気まずくて、あれから話してないんだ。」


「それでも男なの!?最低!!」


何度最低と言われただろう。


確かに最低だけど・・・



「ちゃんと佐藤には謝る。俺が最低だった。でも・・・今は、本気なんだ。」




俺のセリフに、津田は目をまん丸にして驚いた。


「嘘でしょ・・・そうなの?いつから?」


「いつからだろ・・・気付いたら、本当に好きになってた。だから・・・」



津田は、少し申し訳なさそうな表情をして、俺を見た。