私は、横目で汗かき王子を見つつ、亜沙子の描く絵を見ていた。
甲高い声。
「悟!!手紙書いたよ!」
サッカー部マネージャーが汗かき王子の机の上に手紙を置いた。
「いらね~つっただろ!」
汗かき王子・・・
なんて冷たい男。
『王子』なんて付けるのがもったいないよ。
Sな男子が何かと人気だけど、私は今の冷たい一言を許せなかった。
「汗かき王子は、今日から『サッカーバカ山田』に変更・・・」
寂しそうに教室を出て行く彼女を見ていると
切なくなった。
好きな人に冷たくされるってやっぱり辛いよね。
照れてるとしても、もう少し優しくしてあげなよ、山田。