山田が倒れた時に、綺麗に並んだ机が教卓の方まで移動した。


「今は違うって言ってんだろ・・・」



立ち上がった山田が優雅の胸ぐらを掴む。


山田のこんな表情も、サッカー以外では初めて見た。


唇を噛み締めて、優雅をにらんでいた。



「俺は・・・お前も本気だと思ったから、一緒に頑張ろうって思ったんだよ。まさか、姉ちゃんに頼まれて、告白したなんて知らなかった。」




へ?


やっぱり私のこと?



山田・・・


血が出てる。




そうか、そうだったんだ。



山田をもし好きだったら、今、絶対に泣いてるよね、私。



山田は、王子のことを好きな喫煙女に頼まれて、私に告白したんだ。


喫煙女は、ライバルを減らす為に、弟を利用したんだ・・・



そっか。


少し悲しいけど、別にいいや。




山田を好きにならなくて良かった。