私は、毎日笑っていた。
亜沙子が、優雅が、山田が・・・私のそばにいてくれた。
優雅も山田も、何も聞かず、ただ私を笑わせてくれた。
私が王子にフラれた日からしばらくして、小早川の「さち」さんが誰なのかわかった。
それは、王子の「さちこ」さんでもあるわけで・・・
私の予想通り、音楽の先生だった。
名前は『新井佐知子』
今まであまり注目していなかったが、こうして気をつけて見ていると、彼女の魅力が見えてきた。
外見的には、どこにでもいる美人って感じで・・・
清楚な感じのお嬢様系。
でも、男性の心を掴む何かを持っているに違いない。
そう思って見ていると、あることに気付く。
笑顔がとても魅力的だった。
背の低い彼女は、男性と話すとき上目遣いになり、それがとてもセクシーだった。
そんな分析をする私を亜沙子は呆れたように見ていた。
「陽菜、あんたすごいよ!ライバルのことそこまで分析しちゃうなんて。」
ライバルにもなれないよ。
一枚も二枚も上手。
だって、あの王子を3年間引き止めておける女性だよ。
相当魅力のある人なんだ。