「お久しぶりです。相変わらず、綺麗ですね。」


「優雅は相変わらず口がうまいわね。」



俺のことを優雅と呼んでくれたことに、少しだけドキドキした。




「2年の担当にはならないんですか?」




「ええ、3年の担当だから。あなたが留学してから・・・とても寂しかった。」



今さら何を言うんだ?


俺は、もう過去の俺じゃない。



「でも、先生なら他にもいっぱい言い寄られるでしょ。この学校女の先生少ないから。」



少しイヤミにも取れる発言をしてしまった。

女の先生が少ないからモテる・・・と言ったようにも聞こえるだろう。




「そんなことないわよ。優雅くらいよ。本気で私を好きだと言ってくれたのは・・・」




こういう勘は鋭いんだ、俺。


先生は、俺に何かを期待している。


俺からの言葉を待ってる。


『今でも好きです』と言って欲しいの?




でも、好きじゃない。


拒んだのは、そっちだろう。


思わせぶりな言葉を残して、俺から離れたのは、そっちじゃないか。