初めてこの教室に入った時、一人だけ俺に興味のなさそうな女の子がいた。


それが陽菜ちゃんだった。



最初は、『俺に惚れさせてやる』って気持ちで、近付いた。



でも、隣の席で陽菜ちゃんと過ごすうちに、本気で好きになっていた。



一緒にいて、俺が俺らしくいられた。


格好つけなくていい。

ださくて弱い俺を見ても、陽菜ちゃんは幻滅もしないし、嫌いにもならない。




だから、俺は陽菜ちゃんが好き。




最近では、俺は自分のキャラが気に入ってる。


陽菜ちゃんや亜沙子ちゃんのせいで、俺は2枚目ではなくなっていた。



でも、それが本来の俺の姿だった。



今までの俺は、仮面をかぶって、斜めから世の中を見ていた。


真っ直ぐに誰かに見つめられることがなかったせいで、俺もみんなを真っ直ぐに見つめていなかった。



陽菜ちゃんに出会って、俺は新しい自分を発見することができた。


そして、そんな俺自身を、俺は好きだって思える。