「亜沙子ぉ・・・」


亜沙子があまりにも優しくて、私は廊下で泣き崩れた。

昨日の夜、ふとんの中で泣けなかった分、亜沙子の胸で泣いた。




「陽菜ぁ。頑張ろうね。辛いけど、頑張ろう!」



もう恋はしたくないって思うくらいに胸の奥が痛い。


でも、王子の笑顔やあのいじわるな声を思い出すと

そんな痛みは消えてしまう。



やっぱり王子を好きでいたいと

心が叫ぶ。