王子に両手を握られていて、私は動くことも出来なかった。
「ガキ・・・言いたいことあるなら言えや。こんな気まずい関係のままでいいのか?」
「ずっと・・・会いたくて・・・でも、怖くて。ごめんなさい。言いたいことがいっぱいありすぎて・・・」
私の手は震えていた。
王子はそれに気付き、優しく手を甲を撫でた。
「俺、毎日お前の教室見てたのに・・・嫌いじゃないなら、どうして避けるんじゃ。」
私は、今まで溜め込んでいた気持ちを全部吐き出した。
「だって・・・だって・・・晴斗さん、山田のお姉さんとすっごい仲良しで・・・イチャイチャしてたし・・・それにそれに・・・」
王子は、言いたいことがうまく言えずに、もぞもぞしている私をそっと抱きしめた。
座っている王子の顔が、ちょうど私のお腹の辺りに顔が当たっていた。
「お前が、前の日にこっち見んかったからじゃ。夜も電話してこんかったし。だから、ちょっといじわるしただけ。あれだけのことで、そんなにショック受けると思ってなかったから・・・」