空を見上げて笑う私は、突然呼び止められて、辺りを見回した。
その声は・・・
ずっとずっと聞きたかった声。
大好きな王子の声だった。
「何じゃい、おめ~は。陽菜に手ぇ出しとんか。」
王子は、優雅をにらみながら、手の指の関節を鳴らした。
「あ、すいません。俺、全く関係ないんで、誤解しないでください。」
優雅は、かわいい笑顔でそう言って、私から離れた。
「嘘じゃ・・・ 俺、彼氏じゃね~べ。」
王子は、優雅に負けないくらいのかわいい笑顔で、笑った。
亜沙子は、興奮した顔で私の背中を押した。
「陽菜、先帰るね!!」
亜沙子は、真っ赤になる私を残し、優雅と一緒に走り去った。
私は王子の前でただうつむいていた。
「何やっとんじゃ・・・俺以外の男とイチャつきやがって。」
王子は、いじわるな声でそう言った。