せっかく王子が待っていてくれたのに、私は違う男の人と一緒にいた。



優雅に対して、恋愛感情はないけど、今日優雅とデートしてしまったのは事実。


それも、王子のことで悲しくて、それを忘れたくて、優雅に逃げた。




「もしかして、今のあいつか?」




突然、歩くのをやめた私に気付いた優雅が、王子の背中を指差した。



私は、小さく頷いて、また歩き出した。




「追いかけろよ!!陽菜ちゃん!!誤解されたんだろ・・・!!俺が説明してやってもいいから!!」



「ありがと、優雅。でも、追いかける勇気、ない・・・」





優雅は本当にいいヤツだ。




今日は、そんな気分じゃないだろうって、デートは延期にしてくれた。




女心のわかる優しい優雅の胸に飛び込めたら・・・

私は幸せになれるのかな。