優雅おすすめのカフェに向かっていた。
私は、ちょうど市役所の横を通り過ぎる時に、市役所を見上げた。
優雅は私の視線に気付き、ため息をついた。
「やっぱ、好きなんだね。陽菜ちゃん。俺は応援するしかないのかな・・・」
「ごめんね、優雅・・・」
市役所の前のベンチが、太陽に照らされて輝いていた。
ベンチに・・・
見慣れた後ろ姿。
王子・・・!!!
時計を何度も見ながら、振り向いた王子。
一瞬の出来事で、私は何もできなかった。
優雅から離れることもできず、王子を追いかけることもできず。
王子は、私を待ってくれていた。
私は、優雅と仲良く話しながら歩いていた。
車が通るので、優雅は私にとても近付いて歩いていた。
王子は、両手をポケットに入れ、市役所の中へと入って行った。
すれ違いだね。
王子・・・