さっきの亜沙子のように私は亜沙子の胸で泣きそうになった。
「嬉しいよ~!亜沙子~!」
「陽菜!!王子、めっちゃくちゃかっこいいじゃん!やばいよ、あれは!!」
2人とも好きな人と楽しい時間を過ごせて、ニヤニヤしっぱなしだった。
喫茶店で秘密ノートを広げ、いろんな絵を書いたり、
今までの情報を整理したりした。
プルルル・・・
携帯が鳴った。
『終わったんじゃ~!今、お前の後ろにいる。』
振り向くと、そこには私服に着替えた王子が立っていた。
亜沙子は、ぺこぺこと頭を下げて、走って帰った。
王子の私服姿を見るのは初めてだった。
「今日はすみませんでした。」
「何じゃ?気持ち悪い。お前らしくない。」
王子の後ろを歩いていた私は、時々振り向く王子にバレないように、王子の背中を見つめていた。
「ここらへん、何もないんじゃ。公園でいい?」
「はい!!」