入口から少し離れた場所へ案内された私と亜沙子。



「まだ早いだろ!!」


「近くでお茶して待ってようと思ったんです。気になって少し覗いたら王子がいたからびっくり!!」



王子は照れ臭そうに帽子を手で隠しながら笑った。



「接客の心得を学ぶために昼からここで働いてんだよ。陽菜は、俺のこんな姿見たらまた惚れ直す危険があるから!だから見られたくなかったのに!ば~か!」




私と王子の生会話を見た亜沙子が一言。



「王子と陽菜ってカップルみたい!!」



王子は顔を少し赤らめて、また仕事に戻る。




「あと1時間は終わらんけど、待てるか?終わったら電話するから・・・その友達、陽菜のこと頼むな。わがままやけど相手したって。」