2人で夕日と反対方向に向かって歩いた。



王子が教えてくれた市役所から15分のホテルを目指した。



「ここじゃない?」


「超高級ホテルっぽくない?」




私達が辿り着いたホテルは、結婚式場が隣接しているホテルで、聞いたことのある有名な名前だった。



「ちょっと入ってみる?」



興味津々で、私達は自動ドアの前に立った。



ブイーーーンと音を立てて、ドアが開いた。



「いらっしゃいませ。」


真っ黒なスーツに帽子をかぶったボーイさんが、頭を下げた。




お客でもない私達は、緊張して固まった。




「間違えましたぁ!」




私と亜沙子は180度回り、自動ドアの前に再び立った。





「ちょっと!!!陽菜か?」




「へ???」






信じられなかった。



私の目の前で目をまん丸くしているボーイさんは、


なんと・・・


清水晴斗!!