翌朝、早めに学校に行く約束をして、お互いの恋の報告会をした。
亜沙子は、昨日の王子との電話のことを聞いて、朝から興奮しまくりだった。
私は私で、小早川の意外な一面に赤面した。
小早川は、駅で別れる時に、亜沙子にこう言った。
『明日も来てくれると、昼寝の相手がいて嬉しいんだけど』
亜沙子は、行く気満々だったけど、私の話を聞いて、行かないと言い出した。
「今日は、陽菜に付き合う。学校帰りにそのままそのホテル行こうよ。1回家帰ると、出にくいじゃん!王子が来るまで一緒に待ってるよ!」
「いいって!亜沙子は今日がチャンスだよ!今日行けば、また近づけるよ!」
亜沙子は、放課後にチラっとだけ国語準備室に顔を出して、今日は私に付き合うと言ってくれた。
1時間目が古典だったので、私は平常心を保つことができずに、ニヤニヤしていた。
小早川ったら素直なんだから・・・
「津田」って呼ぶときの声が、わざとらしいって言うか、なんだか変だった。