「陽菜ぁ、あんたよく告白できたよね~尊敬しちゃう。私なんて、絶対に無理!!」



「あれは・・・事故みたいなもんだよ。自分でもあんなこと言うつもりなかったのにね~!」





私は王子のいない市役所をぼ~っと眺めていた。



きっと喫煙女も2日間、寂しい思いをすることだろう。




「佐藤・・・お前もしかして、あの男のこと好きなの?」



私がトロンとした目で市役所を見ていると、山田が声をかけてきた。



「あんたには関係ないでしょ?ってか、山田のお姉ちゃんの片思いの相手ってあの人なのかな・・・」



私は油断していた。


まさかの展開に、胸がざわついた。



「ああ、今日から研修だって喜んでたよ。片思いの相手と一緒にお泊りなんて、すっげ~楽しいんだろうな。昨日から興奮して大変だったよ!」




がーーーーーーん




勝手に男だけだと思ってた。


そっか・・・


そうだよね。



「はぁ・・・・・・やばい。そんなこと予想もしてなかった・・・」



私はぐったりと顔を机に押し付けて、ため息をついた。



「佐藤と姉貴、どっちを応援しようかなぁ・・・くくくく・・・」


山田は不気味な笑みを浮かべながら席について、タオルで汗を拭いた。