優しすぎるよ、王子。
王子、大好き。
晴斗さん、好きです。
「亜沙子!!!聞いてぇぇぇぇ!!」
廊下で亜沙子の後ろ姿を見かけて、私は猛ダッシュで近付いた。
「あ、王子と何かあったね。その顔は・・・!!何があった?」
「昨日も電話あったんだ!!しかも、やっぱりわざと妬かせようとしてたみたいで、すっごくかわいいの!しかも、今日から研修で市役所にいないから手を振れないけど、頑張れって言ってくれた!優しいの!!」
廊下のど真ん中で興奮しながら話していると、誰かに頭を叩かれた。
「津田も佐藤も朝から元気だな~!授業中もそれくらい元気だと嬉しいんだけどな。」
2人で見上げた先にいたのは、背の高い小早川だった。
亜沙子が片思いする古典の先生。
最近自分の恋ばかりで亜沙子の恋の話を聞いていなかったっけ。
亜沙子は、嬉しそうに先生の顔を見上げていた。