王子はしばらく何も言わなかった。
そして、小さく息を吐いた。
『泣いてたの?俺から電話がなかっただけで?だめだって。そんなに俺を好きになっちゃぁ・・・わかんべ?』
「そんなの・・・自分でどうしようもないんです。好きになってしまったんだから、責任取ってください。」
むちゃくちゃなことを言ってる私。
手に汗いっぱいかいて、携帯電話がつぶれるかも知れない。
『じゃあ、俺陽菜に冷たくした方がいい?その方がお前は苦しくないんかな。俺、わからん・・・ 気が付いたら、何となくお前の顔浮かんできて、電話したらなあかんわ~って思うんじゃ。これは間違っとるんか・・・』
「晴斗さん、困ってますか。迷惑ですか・・・」
私は王子の全ての言葉を録音したかった。
『そんなに俺、いい人じゃないから、自分の為以外に行動せんよ。だから、迷惑だったら電話なんかするわけない。あ~、もうわけわからんけど・・・俺の見える所でイチャつくのだけはやめろ!!あ・・・でも、見えん所でイチャつくってのも、嫌じゃ・・・』
晴斗王子はやきもち焼き。
そして、すごく素直で優しい。
最高に優しい王子・・・