頷くのを見て、俺はつい腰を下ろしてしまう。
「レオは強い。自分で気づいてないみたいだけど、僕らから見たらとても強い。自覚してないの?」
ルイが俺を見て、目をトローンとさせる。
鎖に寄りかかり、身体を休める。
俺は…自分はすごく弱いと思っている。
精神的にも、体力的にも。
「俺は弱いぞ?」
「はは…、きっとそう思っているのは、理由があるんだよね。」
「理由…?」
顔を上げ、空を見る。
「自分を強いと自覚したら、気が抜けてしまう。緊張感を保てなくなる。自分はできる。そう思っていたら絶対に失敗をしてしまう。そしたら、途中で逃げてしまうかもしれない…。」
「あのさ、ルイ。」
頭でその言葉を浸らせる前に声を出す。
「それはお前もそうだろ、俺はお前を強いだとか弱いだとか、そんなんではっきりと見たことはないが、俺からみたらルイは強いと思うぞ?個人差ってもんもあるだろうし、それにお前、俺を棚に上げすぎじゃねえか?そういわれると、逆に…だな。」
「え?あ…ははっ!」
声を上げて笑うルイ。レオらしい、とつけたし、目に浮かぶ涙を拭った。
「そうだね、僕たち、まだそれほど中身は成長してないね。」
「あぁ。」