握っていたスプーンを強く机に置く。
「レオ?」
イリヤが俺の顔を覗き込み、顔色を変えた。
眉間に皺を寄せ、俺は坊主男の机へ向かう。
「テメェ、何しに来やがった…。」
坊主頭の、…エーレス…か。
エーレスの胸ぐらを掴む。
「何すんだよいきなりっ!」
「よくバカでかい声で空陸戦隊を馬鹿にできたな馬面野郎…。」
「はぁ???」
周りの目が俺らに向けられる。
「俺らが此処で特訓すんのは三年だ!その間にでも先輩達は自分の命を懸けて戦っているんだぞ。それをお前はいかれた奴だって言ったよな?お前らの街を守ってきたのは此処で生死の特訓をした兵士達なんだよ!!!」
手に思い切り力を込める。
エーレスの目が、表情が、変な奴を見るような顔に変わっていく。
「救急隊だか何だかに入って、一番安全なとこに避難するためだか何だか知らねえし、そんなんお前らの自由だけどな!!腐りかけた感情で特訓兵になんか来るなよ!!おままごとじゃねえんだよ!」
「さっきから、お前…空陸戦隊に入るような事言ってっけど…まさか…。」
「空戦隊希望だ!お前も第一次突破したんならっ、ぐぉあ!」
左頬に鋭い痛みが走る。
「いい加減にしなさい。レオ。」
ミナトが俺の頬を殴った。拳で。
「……、ってえ…。」