ミナトとルイが俺の腕を掴む。
俺は頷き、母ちゃんの方へ身体を向ける。

そして、次の瞬間。

バキッ!!

「「「ッ!!!」」」

「おばさんっ!!」

俺の家に、火の玉が飛び込み、崩れ堕ち、
そして…、

「母ちゃんッ!!!!!!!!」

声にならないような声で母ちゃんを呼ぶ。
声より先に身体が動き、家の下敷きになった母ちゃんの元へ走る。

燃え上がる人たちや家を無視して、俺は自分の家へと走る。

「レ・・・オ、」

服を脱ぎ、バシバシと母ちゃんへと飛び交う火を必死に消す。

「母ちゃん!!母ちゃん、早く逃げよう!!早く!!」

頭が真っ白だ。
目の前には皮膚が剥がれ始める母ちゃんの姿。

夢だ、夢だ…、こんなの、絶対に夢だッ!!!
必死に心で叫ぶ。

「れ、お…、逃げて…、ミナ、とル…つれっ、て…」