「とにか…、く、ルイを呼んで…くる…!」
頭を抑えながら汗だくの身体を持ち上げ立ち上がる。
そうだ。
何でこんな大事な事を忘れていたんだ。
『ツギハ………』
あの女の顔が俺の瞼に焼き付いて離れない。
あの低い声、本当に、アイツらは何なんだよ…っ!
「駄目、私が呼んでくる。夜に出歩くのはこの街では危険すぎる。」
「っ…駄目、だ…」
夢であってほしい。
けど、 …勘と言ったら怒られるだろうか。
何か、すげえ嫌な予感がするんだ。
ゾワッと俺の背筋が冷たくなる。
「大丈夫。信じて。」
冷静な声のミナトが、俺がやったパーカーを羽織り、
ドアを開け部屋を出ていく。
「あった…、ま、いって…。」