相変わらず前髪を上げて、ピンで留めていた。
「よく死なずに生きたな。」
「…はい。」
鼻の奥がツンとした。
久々に見たクウガ小隊が懐かしくて、胸をなで下ろすような感覚に襲われた。
「ほぉ…、今期は空戦隊志望率たっけぇな…、まぁいい。俺が今から話す事にビビった奴はすぐ出て行け、わかったな!!」
「「はい!」」
クウガ小隊が、ホワイトボードを前に持ってきた。
「いいか、お前ら、一度しか言わねえ。」
クウガ小隊の口癖は一度しか言わねえ、なのか。
よく聞く言葉だ。
「空戦隊所属するのならば、今からお前らにはある注射をする。」
「注射?」
「レオにはしなくていい。お前は元からガタール民族の血が流れているからな。」
あ、そうか。ガタール民族の血を体内に射れるのか。
「ガタール民族の事はもう教授から学んだな?空戦隊にはガタール民族しか入れない。何故なら、ガタール民族には強くきつい信頼と、未来がかかっているからだ。ガタール民族以外の者には、スプリット法を教えられない。」
「なんで……。」
「そういう生きもんだろ?人間っつーのは、どういう定理とか理屈とか、そんなものは無い。とにかく、お前らには注射をうつ。でもその前に空戦隊はどういうもとか、俺が直接お前らに教えてやる。」