「ほら、あと7キロくらいでしょうか、頑張りましょう、持ちましょうか?」
ショルダー型の戦闘用具、つまり、腰にぶらさげた3つのボトルと、短針を指さして俺に優しく微笑むエルザ。
「何言ってんだよふざけんな…。」
バンダナをキツく結び直し、第一まで解いていた制服のジャケットの結び目を、第二まで解く。
足に思い切り力を入れ、再び走る。
その後についてくるエルザ。
「…大丈夫ですか?」
「大丈夫だ。お前はお前のペースで行けよ。」
「でも…。」
「お前さ!」
「はいっ!?」
随分遠くになっちまった特訓兵の塊を見ながら俺はエルザに叫びあげる。