キーを右に捻り、エンジンをかける。

フォーストの、リズムのいいエンジン音。

高鳴る心臓を落ち着かせ、ゆっくり跨る。

カラダに馴染むボディー。

伝わってくるバイクの振動が、更に俺の気持ちを浮つかせていった。


「ほれ、
そんなヘッピリ腰じゃ、跳ね飛ばされるぞ。」

弘兄が、笑いながら俺をつつく。


「わかってるよ。」


用意していたメットを被り、地面を蹴る。

弘兄に見送られ、俺達は走り出した。