乗せられやすい俺。

でも、掌の中のバイクのキーは確かな存在。

弘兄に頼りなく手を振ると、キーを握りしめて店の外へ出た。



外は気持ち良く晴れ渡り、遠くの方で鳴く蝉の声が微かに聞こえる。

俺を待っていたかの様に、太陽の日差しを浴びてその黒のボディーの美しさを強調させた。